農業が閑散期を迎える冬、旭川で開かれた婚活パーティー。ドレスアップしていたのは、道内各地から集まった農業後継者の女子たち。農家の跡を継ぐにはパートナーが欠かせないと、婿探しをしていた。 実は、団体のリーダーで上富良野町の農家の一人娘・広瀬菜摘(29)は、父・幸雄(65)から農家を継ぐことを反対されていた。北海道の農業は本州よりも桁違いに規模が大きいために経営も難しく、男子よりも体力がなく、機械の扱いが苦手な女子たちには向いていないと思われているからだ。 一方、菜摘の親友でサブリーダーの沢木由佳(29)も、農業を取るか、恋人を取るか、大きな岐路に立たされていた。北海道の農家の娘が家業を継ぐのは、並大抵の事ではない。